Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood 2024 Autumn / Winter “The Tailor”
Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood
2024年秋冬コレクション “The Tailor”
服を作る目的とは何だろうか?
それは心を豊かにすることに他なりません。
その根底にあるのは欲望であり、
それこそが私たちが創造したいものです。
これこそがファッションの本質です。
ヴィヴィアンと出会ったとき、彼女が私と同じように,
歴史に夢中になっていることにすっかり魅了されました。
それは私たちが共有した最初の情熱でした。
ルネサンス後期の衣装を取り上げることにしたのは、ミラノで開催されたジョヴァンニ・バティスタ・モローニの展覧会、ヴィヴィアンと仕事をするようになった頃の自分のことを強く思い出させたそれを訪れたからでした。
黒い服、顔や手の表情など、座した人の個性を切り取るその手法において、彼の絵画は象徴的で、厳格さとエレガンスが際立っています。
ジェニー・ティラマーニ教授が主宰する南ロンドンのThe School of Historical Dressから出版されている、ジャネット・アーノルド著『Patterns of Fashion』は、多くの人々に知られています。
インスピレーションを引き出すうえで、彼らが行っていることはとても重要で、大きな助けになります。
ヴィヴィアンと私は、この資料から多くの歴史的なパターンを取り入れてきました。
時を同じくして、私は友人から数点のスポーツ用プロテクターをもらい、そこにつながりが見えたのです。
私たちは1600年代のコッドピースや、切り裂いたり穴をあけた素材、ブリーチやダブレット、プルダーホーゼンを参考にしました。
私たちが愛するブラックカラーはとてもファッショナブルでよく見かける色ですが、それはとても使いやすく、それでいてあらゆる色の中で最もエレガントなものです。
エレガンスとは何か?
エレガンスとは、人の人生の歩み方です。
何を着ているか、どのような香りを纏っているか、そういったことはあまり重要ではなく、ずっと大切なのは自分の内面なのです。
私たちよりも以前の人生があったことを知ることは、大きな意味があります。
『伝統は、それに何かが付け加えられることによってのみ活かされる』。- ヘンリー・ジェームズ
コレクションの全ルックはこちらからご覧ください。
備考 ‘The Tailor’, Giovanni Battista Moroni, 1565-1570, The National Gallery