ヴィヴィアン・ウエストウッドを代表するアイテムのひとつ、アーマー・リングは一体どのように商品化されることになったのでしょうか?今回はそのアーマー・リングの謎を紐解いていきます。
ヴィヴィアンが大好きなロンドンの美術館と言えば、彼女のコレクションにもなったウォレス・コレクションです。地下鉄ボンドストリートの駅から歩いて10分、マンチェスター・スクエアにあるウォレス・コレクションは、15世紀から19世紀にかけての世界的な美術作品、家具や磁気、武具を展示する美術館で、驚くことにその全てがプライベートのコレクションです。ヴィヴィアンは、ロンドンに来た人にはまずウォレス・コレクションに行くことを何よりも先に勧めます。
ヴィヴィアンは教育の一環で、ある日息子のベンに、ウォレス・コレクションに行き、デッサンをして来るよう伝えました。ウォレス・コレクションにはとても広い武具、甲冑のセクションがあります。そこで甲冑のデッサン、特に腕から手にかけての部分を細かく描いてきた息子の絵を見たヴィヴィアンは、またもそこからアイデアを得るのです。甲冑その物も素晴らしいのですが、指の部分のユニークさに気付いたヴィヴィアンは、それで指輪を作ってみることにしたのでした。それがアーマー・リングの始まりです。
ヴィヴィアン・ウエストウッドの商品の素晴らしさは、その朽ち果てることのない唯一無二のデザインにあるとも言えます。アーマー・リングは、世界中の人たちを今も魅了し続けています。