ロッキンホース・シューズが初めて紹介されたのは、1985年の「Mini Crini」コレクションでした。そのコレクションは、ロシアの作曲家、ストラヴィンスキーの三大バレエのひとつ、ペトルーシュカにインスパイアされたもので、服はそのバレエの衣装のように、子どもっぽく、お人形のように見えるデザインが施されました。
コレクションに向けて、底が高く、しかも履きやすく快適な靴をデザインしたかったヴィヴィアンは、厚底のソールの先っぽに丸みをつけることで、歩くたびにロック(前後にやさしく揺れる)できることに気付きました。
そう、まるでロッキンホース(木馬)のようにしなやかに揺れ、それでいてカチッと止まる動きを、歩くときに再現できるようにしたのです。靴の形そのものは、なんと日本の芸妓さんたちが、着物の裾を汚したり濡らしたりしないために履く、伝統的なぽっくり下駄にインスパイアされたものでした。
1985年のコレクションに登場以来、このロッキンホース・シューズは、バレリーナ、ゴルフ、ブーツ、ベイビー、スレーブ、クロスオーバーと、今日まで様々な形で披露されています。
また、これらシューズは、1987年以来、ロンドンの靴職人ジョン・アマサスの手作業で作られています。ジョンの長年に渡る素晴らしい仕事ぶりを讃えて、5月にロンドンのフラッグシップショップでイベントが開催されました。