「アナーキー」日本語ですなわち「無政府状態」「無秩序」と名付けられた、いかにもパンクを匂わせるシャツが生まれたのは、まさにパンク時代真っ只中の1970年代のこと。
ヴィヴィアンは当時、ロンドンの自宅でホールセールで買ったビジネスマン用のシャツをグレーの液で染色していました。
そしてそれぞれのラインに厚みのあるストライプを作るために、試験的にその染色されたシャツを今度はブリーチすることにしたのです。生地が痛まないように、染色し、さらにブリーチされたそのシャツを素早く洗います。
こうして仕上がったシャツの上にいくつかのパッチが縫われました。
一つはロンドンのコミュニストの本屋さんにあったカール・マルクスのパッチ、一つは「Chaos」と書かれたアームバンド、もう一つはブリーチを使って「Situationalist」や「 Beneath the pavement lies the beach 」と手書きで書かれたスローガンのようなもの。
そして最後に「Only Anarchists are Pretty」という言葉が胸の部分にステンシルでプリントされました。元来のパンクの精神である「Do it Yourself」何でも自分でやってみる精神がそのシャツ全てに具現化されたのです。
今日のアナーキーシャツは、当時と違ってマルクスの代わりにヴィヴィアンの敬愛する画家レンブラントがいたり、胸の部分のステンシルが「Active Resistance to Propaganda」だったりと、今のヴィヴィアンの考えや思いが施されています。